2012年7月25日水曜日

ヘビでもわかるライトフィールドカメラの原理 その1.1 ライトフィールド(light field)とは

ライトフィールドカメラの「ライトフィールド」とは「光のすべて」という意味である。
すこし大げさな言い方をすると
「ライトフィールドカメラ」=「光のすべて記録するカメラ」となる。


「光のすべて」とはなんなのか。
光の状態をどのように記述するかを考えてみると、
『ある時間』、『ある場所』で、『ある波長』の光が『ある強度』で『ある方向』へ伝搬している…
この状態を表す関数を考えると

時間=1次元
場所=3次元
方向=2次元
波長=1次元

となり、思いついた性質を並べただけで7次元の関数となる。
これら光のすべて記録しておけば、その状況を行ったり来たりすることができるのは想像できるだろうか?
実はそのいい例が映画「The Matrix」のあのシーン。
撮影風景をテレビでみたことある人もいると思うが、カメラを何台も並べてあらゆる方向から来る光を記録して、後から合成している。
http://goo.gl/HeJQk
つまりあれも一種のライトフィールドカメラということである。


これまでのカメラは、

時間→シャッターで一瞬をサンプリング
波長→カラーフィルターで分離

という具合で光のパラメータをCMOSの電荷情報に変換している。
残すは場所(3次元)と方向(2次元)の5次元であるが、実は光には輝度不変則というものがあるので、4次元まで減らすことができる。これは障害物にあたらなければ、光はエネルギーを失うことなく進む、みたいなもので、要するに情報を保存しているので、1つ次元減らしてもOK。ということである。


この4次元で表せられる光のことを論文とかでは”4D Light Field"なんていう。
4D Light Fieldをいかにして捕らえるかが今回説明したいライトフィールドカメラの原理の真髄なのだが、こんなに長文を書くのも久しぶりで疲れたのでまた今度。

あまり厳密な説明はするつもりがないので、
とりあえず今回はライトフィールドがどんなものかざっくりわかってくれたら嬉しいです。
次回は図も含めてライトフィールドとはなんぞやについて説きたい。




0 件のコメント:

コメントを投稿