2013年5月11日土曜日

ヘビでもわかるライトフィールドカメラの原理 その2.1 絞りのはたらき

前回、リフォーカスを行うには光線の角度情報も記録する必要があることがわかった。
ちょっとウォーミングアップとして絞りの働きについて考えておこう。

絞りとは英語で "stop" とも言う。つまり光をそこで止めてしまうのである。
なぜ止めるのか?

カメラをやっている人は分かると思うが、絞りを開くとシャッタースピードを速くすることができる。
逆に閉じるとシャッタースピードは遅くなり、露光時間は長くなる。
しかし、シャッタースピードをコントロールするためだけに絞りを開閉するのではない。
実は絞りには光線を選択するという効果がある
僕もただの穴にそんな効果があることはなかなか想像できなかった。


では、光線が空間を縦横無尽に飛び回っている状態を想像してほしい。
センサー面では、どこから来たかわからない光線が到達する。
これでは画像なんて形成できん。





ではここに小さな絞りを配置してみよう。



光線がすっきり。
絞りの開口部からの光のみセンサーに到達するようになった。
これがピンホールカメラである。
光線は少なすぎると暗くなるが、多過ぎても良いわけでもない。
1点から出た光が再び1点へ集まる、そういう光線のみセンサーに導かなくてはならない。
そう、絞りには光線を選択するという大事な働きがあるのである。

例えば絞りを置いた面を以前と同様にu面としよう。
絞りを小さくしてピンホールのようになったとき、
センサー面(x面)に届く光線のu座標は、そのピンホール座標一点に限定される。
つまりピンホールを置くことで光線の角度も決定される、という訳である。

光線を選択する道具としてピンホールがあることがわかった。
次回はこれを使って、ライトフィールドカメラが如何に光線の角度を記録しているかを説明する。









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